- ネズミは飲食店に健康被害・風評被害・商品の損害・火災などを引き起こす
- ネズミの有無はラットサインで判断できる
- 普段からネズミ予防を心がける
- ネズミが出た場合はすぐに駆除業者へ相談する
「もしもうちの店にネズミが出たら、どうなってしまうのだろう……」
ご近所でネズミを見かけたり、食中毒のニュースを見ると不安になりますよね。
ネズミが飲食店に出ると以下の被害が予想されます。
- 食中毒などの健康被害
- ニュース・SNSを通じて広がる風評被害
- 食材・商品をダメにする損害
- ネズミがコードをかじり発生する被害
多くのネズミは食中毒を起こす危険な菌を持っているので、料理に菌が混入すると食中毒が発生するおそれがあります。
集団で食中毒が発生すれば保健所から、数日間の営業停止命令が下されるでしょう。
さらに「店内にネズミがいる」とお客様がSNSに投稿したり、従業員が内部告発をおこなったりすれば、炎上騒動に発展するかもしれません。
この記事では、ネズミが飲食店に出た際のリスクから予防法、対処法までネズミ予防・駆除の情報をまとめました。
飲食店で必要なネズミ予防・駆除の要点だけをまとめたので、この記事を読めばもうネズミに悩むことはありません。
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麻酔の中でも術後鎮痛を専門として臨床研究をおこなう。医学教育への取り組みも積極的におこない、心肺蘇生の講習会のインストラクターやディレクターなどをこなす。本名および「あねふろ」の名前でAmazon Kindleにて電子書籍も出版。
※「食中毒などの健康被害」のみ監修
営業停止の危機もある4つのネズミ被害
万が一ネズミが飲食店に出ると、以下の被害が発生し営業ができなくなったり、保健所から営業停止命令が下されたりするかもしれません。
- 食中毒などの健康被害
- ニュース・SNSを通じて広がる風評被害
- 食材・商品をダメにする損害
- ネズミがコードをかじり発生する被害
多くのネズミは食中毒になる菌を持っているので、料理に菌が付着すれば食中毒になるおそれがあります。
お客様・従業員が食中毒になれば保健所から立入検査が入り、営業停止になるかもしれません。
また、ネズミがコードをかじり漏電、火災の規模によっては休業せざるをえません。
この章ではネズミがもたらすリスクを詳しく解説します。
食中毒などの健康被害
ネズミが原因で起こる、主な健康被害は以下のとおりです。
- 食中毒
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- 原因
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サルモネラ菌
- 主な症状
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- 腹痛・下痢
- 発熱
- 嘔吐
- 潜伏期間
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12時間~2日程度
食中毒のニュースでもよく取り上げられるサルモネラ菌は、生肉や生卵などに付着している菌です。
サルモネラ菌はネズミも持っており、ネズミに触れた手で料理に触ったり、ネズミのフンが料理に混入したりすると、食中毒になるおそれがあります。
- 体調不良(レプトスピラ症)
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- 原因
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レプトスピラ細菌
- 主な症状
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- 腹痛・下痢
- 頭痛
- 発熱
- 黄疸
- 潜伏期間
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3~14日程度
レプトスピラ症はネズミなど野生動物のフン尿を体内に入れたり、噛まれたりすると発症する病気です。
レプトスピラ症で多い発症理由は、手足に傷のある状態で汚染された水や泥に触れて発症する事故です。
しかし2021年の沖縄県では、自宅のネズミ捕りにかかっていたネズミを捕まえる際に指を噛まれた可能性のある男性がレプトスピラ症と診断されています。
- 皮膚炎
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- 原因
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イエダニ
- 主な症状
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吸血されると、かゆみを伴うはれが3~4日続く
- 潜伏期間
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イエダニはネズミの血を吸うダニですが、ネズミが死ぬと人間を吸血します。
イエダニに吸血されると、かゆみとはれが数日間続きます。
- アレルギー(アナフィラキシーショック)
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- 原因
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イエダニ
- 主な症状
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- しっしん
- 腹痛・下痢
- 呼吸困難
- 血圧低下
- 潜伏期間
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30分~2時間以上
ダニにアレルギーがある方は、イエダニの吸血によりアナフィラキシーショックが出る場合もあります。
アナフィラキシーショックとは、短時間で症状が出るアレルギー反応のことです。
小麦粉など食物を食べて起きることもありますが、蜂やダニなど生き物と接触して起きることもあります。
ひどいアナフィラキシーショックになると、呼吸困難や血圧低下も起きる危険な症状です。
お客様・従業員・経営者ご自身の健康を守るためにもネズミを店に入れないことが重要です。
参考:厚生労働省[身近な危険 食中毒]
参考:厚生労働省[レプトスピラ症]
参考:沖縄県[宮古地域で初めてのレプトスピラ症の発生について]
参考:北九州市[ダニ]
参考:全国健保協会[アナフィラキシーショック]
ニュース・SNSを通じて広がる風評被害
風評被害が広がる経路はさまざまですが、現在よくある事例は以下のとおりです。
- 自治体が発表した情報に基づくテレビ・インターネットのニュース
- 「店内でネズミを見つけた」などお客様によるSNSの投稿による炎上
- 「勤務先にはネズミがいる」など従業員によるマスメディア・SNSを通じた内部告発
考えたくはありませんが、ネズミが原因で食中毒が発生し、営業停止になったとします。
営業停止になると各自治体では、営業停止になった店の情報を発表します。
自治体の発表をもとにテレビやインターネットニュースが、作成されることも珍しくありません。
営業停止後に適切に対応しても、噂が独り歩きして風評被害につながるケースもあります。
また、現在多いのはSNSからの炎上騒動です。
SNSの炎上はお客様の投稿から始まる場合もあれば、従業員が内部告発としておこなう場合もあります。
風評被害や炎上騒動は迅速に対応、真摯に向き合えば被害を最小限に抑えられるはずです。
食材・商品をダメにする損害
ネズミがかじったり、フンや尿をかけたりした食材は使用できません。
健康被害のおそれがあるからです。
同様に作り置きのお菓子や袋詰の食品も、ネズミ被害にあえば売り物になりません。
ネズミ被害にあうと売上が出ず、仕入れと廃棄料だけがかかります。
ネズミがコードをかじり発生する被害
ネズミは食べ物以外にも木やコードなどの硬いものをかじります。
そのため、コードをかじって以下の被害を出すかもしれません。
- 漏電により火災を起こす
- 冷蔵庫のコードをかじり食材をダメにする
- 防火シャッターや照明などの店内の設備を破壊する
- 電話線やインターネット回線を切断し、出前や従業員の連絡が取れない
2015年には飲食店が入っている建物で、ネズミがかじった防火シャッターから漏電し火災が発生しました。
この事件では火元が防火シャッターだったので、シャッターがうまく作動せずに被害が広がりました。
ネズミはときに人命に関わる重要なコードもかじって被害を出します。
火災にならなくても、冷蔵庫や照明など店内の設備が使えなくなれば復旧のために休業が必要になるでしょう。
ネズミが出ると食中毒から火災まで、さまざまな被害が出るのでおそろしいですね。
ネズミ予防の第一歩として、現在店舗にネズミがいるかどうかを確認しましょう。
※1 手数料がかかる場合がございます。一部加盟店・エリアによりカードが使えない場合がございます。※2 交通費、お客様都合でのキャンセル料は別途発生する場合があります。
ラットサインでネズミがいるかわかる
まずは店にネズミがいるかどうかを簡単な方法で調べましょう。
ネズミが店に出るとラットサインという痕跡を残します。
ネズミのフン
飲食店によく出るクマネズミのフンは上記のような形です。
移動しながらフンをするので、あちこちに散乱しています。
黒っぽい米粒大のものが散乱していれば、クマネズミのフンの可能性が高いでしょう。
天井や壁の黒ずみ
ネズミは壁などに沿って移動する習性があります。
ネズミが何度も通る場所は、ネズミの体の汚れが付着し黒ずみになります。
ケーブルや木材をかじった跡
げっ歯類であるネズミの前歯は一生伸び続けるため、食べ物以外の硬いものもかじって歯をけずります。
ネズミ特有のサインなので、このような痕跡があれば他の害獣ではなくネズミの可能性があります。
飲食店で特に被害を出すクマネズミは高い場所に登って活動するネズミなので、床だけでなく高所にも上記のラットサインを残します。
棚の上などにもラットサインがないか確認しておきましょう。
もしも上記のラットサインがあれば、店舗にネズミがいます。
今すぐネズミ駆除業者に連絡して、ネズミ調査や駆除を依頼してください。
また上記のラットサインがないなら、店にネズミがいない可能性が高いでしょう。
ネズミがいないのであれば、ネズミ予防のチャンスです。
次の章では、誰でも簡単にできるネズミ予防の方法をご紹介します。
飲食店のネズミ被害予防方法
ネズミが店内にいる状態で予防をおこなうと、店にネズミを閉じ込めてしまいます。
そのため店にネズミがいないときこそ予防のチャンスです。
下記のネズミ予防をおこないましょう。
- 清掃・整理整頓を心がける
- 生ごみはフタつきの容器で保管する
- 侵入経路をふさぐ
- 忌避剤・超音波で予防をする
飲食店なら清掃や整理整頓などすでに心がけている方も多いとは思います。
しかし、なぜネズミ予防になるか少しわかりにくいので、詳しく解説します。
清掃・整理整頓を心がける
まずは店内や店の外周りの清掃と整理整頓を心がけましょう。
ネズミはエサになる食材や生ごみがあると寄ってきます。
また、巣になる場所や巣の材料になるものがあれば、店内に巣を作るかもしれません。
そのため、物や食材をしっかり保管するだけでもネズミ予防につながります。
具体的には以下のとおりです。
- 食品は冷蔵庫、隙間のない戸棚などにしまう
- ネズミの隠れ家になる段ボールなど不要な物は捨てる
- ネズミの巣材になる、ペーパータオルや新聞紙などは処分また適切に保管する
- 汚れた食器・調理器具はすぐに洗う
- お客様・従業員が触れる場所は消毒用アルコールで殺菌する
- ごみやホコリは掃除機で吸い取る
- 店の外も上記の整理整頓を徹底する
知らないうちにネズミが侵入していても、消毒用アルコールを使って清掃すれば大丈夫です。
ネズミのフンやイエダニは掃除機で吸い取ればOKです。
従業員の方にも「普段の清掃がネズミ予防につながる」と伝え、店全体で清掃と整理整頓を徹底しましょう。
生ごみはフタつきの容器で保管する
食材や食品の管理を徹底しネズミに目を光らせていても、生ごみは損害がないので見過ごしがちです。
しかし生ごみはネズミのエサになるので、フタ付きのごみ箱で保管しましょう。
ただしネズミはプラスチックをかじり、ときに穴を空けます。
プラスチック製のごみ箱を使う際には、フタ付きであっても穴が空いていないか確認しましょう。
侵入経路をふさぐ
ネズミは1cm程度の隙間から侵入する生き物です。
1円玉の直径がちょうど2cmなので、1円玉ほどの大きさがあれば簡単に侵入します。
そこで侵入されやすい場所と対策をまとめました。
- 壁、床や天井などのひび割れ
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建物補修材や穴埋めパテで埋める
- 通風口や換気窓などの換気用の穴
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金網を張る
- エアコンダクトや配線の引き込み口
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穴埋めパテや金属たわしでふさぐ
- 換気扇や配管周り
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金網、金属たわしや穴埋めパテで埋める
床下の通風口や屋根に近い配線引き込み口まで、建物の下から上までくまなくチェックし、1cm程度の隙間があればパテや金網でふさぎましょう。
ネズミ駆除・予防の詳細についてはこちらの記事をぜひ参考にしてください。
上記の作業がむずかしいときには、ネズミ駆除業者に防鼠工事を依頼しましょう。
ネズミ駆除だけでなく、建物に詳しいプロが工事をおこなうのでしっかりとネズミを予防できます。
もしもネズミ駆除業者に心当たりがないなら、ねずみ110番にご連絡ください。
ねずみ110番は、ネズミ駆除業者をご紹介するサービスをおこなっています。
ご希望の日時、場所を電話でお伝えいただくだけであなたにピッタリのネズミ駆除業者をご紹介します。
もちろん店舗や貸店舗からのご依頼も受け付けています。
24時間365日相談受付中!
ネズミで悩んだらねずみ110番にご相談ください。
※1 手数料がかかる場合がございます。一部加盟店・エリアによりカードが使えない場合がございます。※2 交通費、お客様都合でのキャンセル料は別途発生する場合があります。
忌避剤で予防をする
ネズミが店内に入ってこないように、ネズミの嫌がる匂いや音で寄せ付けないようにしましょう。
ただし匂いや音はネズミが慣れてしまうと予防の効果がなくなります。
ニオイと音の予防を交互におこなう、定期的に別の商品を取り替えてネズミが慣れないようにするなど工夫をしてください。
忌避剤は、ネズミの嫌がる匂いでネズミを寄せ付けないようにする道具です。
忌避剤には置くだけタイプ、スプレータイプや袋を壁に貼り付けるタイプなどさまざまなものがあります。
スプレータイプは、狭い隙間にも使用できます。
また置くだけ、壁に貼り付けるタイプは、置くだけでよいので手軽に予防ができます。
使用場所に応じた商品を選びましょう。
超音波で予防する
ネズミは人間よりも高い音を聞き取れるので、人には聞こえない不快な音を発生させてネズミを追い払います。
超音波発生器にはコンセントに差し込むタイプや電池式のタイプがあるので、設置場所にあわせて購入しましょう。
また、ネズミの嫌がる超音波の出るスマートフォン用の無料アプリもあります。
ただしアプリによっては音の出る動画広告が入るものや人にも不快な音が聞こえる商品もあるので、導入前に必ず再生してください。
ネズミ予防に関しての解説は以上です。
次からは万が一ネズミが店に出た場合の対処を解説します。
飲食店にネズミが出た場合の対処法
万が一ネズミが出た、ネズミ予防中にネズミの痕跡を発見したら、ネズミ駆除業者に依頼しましょう。
ネズミ駆除はやることが多く重労働なので、忙しい飲食店の仕事の合間におこなうのはむずかしいからです。
またお客様や従業員からネズミの存在を指摘されたら、すみやかに調査や駆除をおこない風評被害や炎上騒動を最小限に抑えましょう。
すぐにネズミ駆除業者に連絡する
ネズミ駆除を個人でおこなうのは大変です。
ネズミを見つけたらすぐにネズミ駆除業者に相談しましょう。
理由は以下のとおりです。
- 数匹捕まえた程度では駆除できない
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ネズミは数十匹程度の群れで生活している。
カゴ罠で数匹捕まえた程度では、駆除できない。 - 増えるスピードが早い
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飲食店で被害の多いクマネズミは環境がよいと年5~6回、1回の出産で5~6匹の子供を産む。
仮に10匹のネズミが出産すると、約2ヵ月ごとに50~60匹ずつ増える計算になる。 - 駆除後の掃除が必要
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ネズミがいなくなっても、床下や天井裏にネズミの死体や巣が残っている。
放っておけばダニ、腐敗臭やカビなど別の問題が発生する。 - 駆除後の予防も必要
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今いるネズミを駆除できても別のネズミの群れがやってくるおそれがあるので、予防が必要。
しかし駆除や掃除のあとに予防までやるのは重労働。
予防と違いすでにネズミのいる駆除は、おこなう作業が多いので時間と労力がかかります。
万が一ネズミが出たらプロに依頼しましょう。
もしもネズミ駆除業者に心当たりがないのであれば、ねずみ110番にご連絡ください。
ねずみ110番はネズミ駆除業者をご紹介するサービスをおこなっています。
ご希望の日時や場所を電話でお伝えいただければ、希望にあったネズミ駆除業者をご紹介いたします。
飲食店や貸店舗のご依頼も受け付けているので、ネズミ駆除を考えているのならぜひねずみ110番にご相談ください。
※1 手数料がかかる場合がございます。一部加盟店・エリアによりカードが使えない場合がございます。※2 交通費、お客様都合でのキャンセル料は別途発生する場合があります。
お客様・従業員からの指摘は必ず誠意ある対応をおこなう
万が一お客様や従業員からネズミの存在を指摘されたら、すぐに対応しましょう。
「本当にネズミがいたのか?調査する時間がない」「そのうち駆除するから」と問題を後回しにすれば、お客様や従業員の不満はSNSの投稿や内部告発という形で現れます。
ネズミはお客様や従業員の健康をおびやかす可能性があります。
ネズミの存在を指摘されたら、お客様や従業員の不安を早く取り除けるように行動しましょう。
もしもネズミの存在を指摘されたら、以下の行動を取りましょう。
- すぐ調査・駆除にむけて動く
- お客様に対して「SNSを削除してくれ」など隠ぺいと取られる行動はしない
- 従業員に対して「飲食店にネズミがいるなんて当たり前だ」などごまかさない
- 調査・駆除後はできるだけ早く結果を報告、被害があればすぐに謝罪をおこなう
- 結果の報告や謝罪はお客様や従業員に対する反論・批判ではなく「不安の払拭を第一」と考える
総務省が公開している情報によると、炎上騒動を知った経路は「テレビニュースやバラエティ番組などのマスメディア経由」が多いそうです。
「うちの店はSNSやっていないし、そのうち収まるだろう」と放っておいても、テレビを通じて騒動は広がり続けるので店としてきちんと対応しましょう。
また食品衛生法に基づくネズミ駆除やHACCP(ハサップ)に即した日々の記録付けなど、当然のことをやっていなければ意味がありません。
日々の記録付けなど当然のことをおこない、お客様・従業員の指摘には迅速に、真摯に向き合いましょう。
参考:農林水産省「統計分析が明らかにする炎上の実態/対策とネットメディア活用方法」
参考:総務省[第4節 デジタル経済の中でのコミュニケーションとメディア]
飲食店にネズミが出た際のよくある疑問点
最後に飲食店にネズミが出た際に気になることを、質問形式にまとめました。
営業停止までの期間と営業停止の日数はどれぐらい?
保健所の立入検査の判断によりますが、早ければ立入検査当日に営業停止になります。
営業停止の日数は問題解決にかかる時間です。
店の清掃や設備の改善など、保健所が改善に必要だと判断した日数によるので店によって異なります。
営業停止は以下の過程を経て、処分が下されます。
- 「食中毒患者が出た」など保健所への通報、予告のある保健所の立入検査がおこなわれる
- 保健所の立入検査の結果、問題が見つかる
- 保健所の判断により口頭や書面による改善指導。もしくは数日間の営業停止
- 問題の改善が見られない、営業停止期間が長期になるなどの場合は営業禁止や営業許可取り消し
例えばネズミが原因で食中毒が発生したとします。
食中毒は営業を続ければ被害が拡大するので、立入検査をおこなった日に営業停止になることもあります。
ただし保健所の判断次第では口頭や書面による改善指導だけで済むこともあるので、必ずしも即営業停止ではありません。
ビルのテナントで営業している場合ネズミ駆除の費用はどうなる?
ビルの利用規約にもよりますが、基本的にはビルの管理会社(大家さん)が費用を支払います。
賃貸物件は「管理会社(大家さん)から建物を借りている状態」です。
建物はあくまで借りているだけなので、基本的な修繕や管理などは持ち主である管理会社(大家さん)がおこないます。
また建築物における衛生的環境の確保に関する法律(通称ビル管理法)もからみ、建物全体の管理が必要になるからです。
ただし「管理会社に注意を受けていたにも関わらず、生ごみをちゃんと処理しなかった」など借り主に落ち度があると、借り主が支払う場合もあります。
またビルの利用規約によっては借り主が支払う契約の場合もあるので、まずは管理会社に相談してみましょう。
HACCP(ハサップ)をやっていない状態でネズミが出たら罰則の対象になる?
HACCP(ハサップ)をやっていなくても、営業停止になることや、罰金が課せられることはありません。
ただし食品衛生法に基づく営業停止処分などはあります。
HACCP(ハサップ)とは、食品を安全に扱う衛生管理の手法のことです。
「食品をどのように管理していたか?」などの衛生に関わる記録を日々残し、食中毒などを未然に防ぐことが目的です。
2020年6月に食品衛生法が改正され、HACCPは規模に関わらず食品を扱う店・施設で義務化されました。
もし保健所に「HACCPに基づく食品管理の記録を提出してください」といわれて出せないと、保健所からの改善指導を受けることになります。
2022年11月現在は指導だけで済み、罰則はありません。
ただし食品衛生法には「公衆衛生の状態がとても悪い飲食店に対して、都道府県知事は営業停止命令を出せる」「健康を損なう食品を販売した店は、3年以下の懲役か300万円以下の罰金」と記載があるので罰則があります。
HACCPには罰則規定はありませんが、義務化されており、衛生管理のために重要なのできちんとおこないましょう。
参考:厚生労働省[HACCPに沿った衛生管理が完全義務化されました]
参考:e-Gov法令検索[食品衛生法]
ネズミ被害が出たら休業保険は使える?
自営業向けの休業保険に加入している方は、休業中の補償がなされる休業保険が気になる方も多いかと思います。
契約している保険内容によりますが、休業補償は出ないケースが多いでしょう。
休業保険の約款を見ると、多くの保険では補償がでないケースとして「ネズミ食いまたは虫食い等に起因する賠償責任」が記載されています。
ただし約款に記載のない場合もあり、実際の保険金の支払いは保険会社の判断によるところが大きいでしょう。
ネズミが出た際の対応は契約中の保険会社に、問い合わせてみましょう。
まとめ
- 飲食店にネズミが出ると、健康被害・風評被害・食材の損害・火災などが発生するおそれがある
- ラットサインが見つかれば店にネズミが住み着いている可能性がある
- 被害が大きくなる前にネズミ駆除業者に相談するべき
ネズミが出ると食中毒から火災までさまざまな被害が予想されます。
現時点でネズミがいるのであれば、お客様と従業員、そしてご自身の健康や安全のためにネズミ駆除を迅速におこないましょう。
現在ネズミがいないのであれば、ネズミ予防のチャンスです。
ネズミ予防で食中毒などのリスクを回避しましょう。
もしもネズミ予防・駆除の会社をお探しなら、ねずみ110番にご相談ください。
お電話いただくだけで、あなたのご希望にあったネズミ駆除業者をご提案いたします。