「ドブネズミを駆除したいけど方法がわからない……」
「そもそも自力で駆除できるのかな?」
ドブネズミは家に出現するネズミの中でも最大の体長を持っており、繁殖のスピードも非常に早いという特徴を持っています。
そのため、1匹2匹駆除をしても根本的な対策を取らなければ繁殖を止められずイタチごっこに陥ってしまう可能性が高いです。
結論から言えば、もっとも確実性の高い駆除方法は信頼できるネズミ駆除業者へ依頼することですが、この記事では下記の点を解説していきます。
・駆除後の再発防止
・ドブネズミの基本的な生態
読み進めれば、厄介なドブネズミをしっかり駆除するための知識を手に入れることができるでしょう。
今すぐできるドブネズミの駆除方法3選
ドブネズミを駆除する方法はおもに以下の3つがあり、それぞれにメリット・デメリットがあります。
・罠で捕獲する方法
・苦手なもので追い払う方法
人によって実行しやすい駆除方法は異なると思うので、ここで解説する特徴を踏まえて、実践しやすい方法を試してみましょう。
殺鼠剤で退治
殺鼠剤を使った駆除方法は、すでにネズミが大量に繁殖してしまっている場合に有効です。
殺鼠剤のメリット | 殺鼠剤のデメリット |
・一度にたくさんのネズミを駆除できる | ・どこにネズミの死骸があるかわからない ・効果が出るまでに時間がかかる ・ペットが口にしてしまうおそれがある |
ネズミには、エサを巣に持ち帰って食べる「貯食性」という習性があります。そのため、エサと一緒に殺鼠剤を食べたネズミはもちろん、上手くいけば巣にいるネズミまで一網打尽にすることができる可能性があるのです。
ただし、ドブネズミは警戒心が強いため、なかなか殺鼠剤を口にしないかもしれません。そのときは、ドブネズミの好物である肉や魚を置いてエサを食べに来るよう仕向け、あとから殺鼠剤を混ぜるという方法を試してみましょう。
また、毒の効果はどこで出るかわかりません。殺鼠剤が減ってきたら、ネズミの死骸を探して早く処分しましょう。放置すると、腐敗して悪臭がしたりハエやウジなどの害虫が寄ってきたりする二次被害が発生するおそれがあります。
なお、死骸の処理だけをおこなう業者は基本的には少ないです。死骸を処理したくない場合は、駆除から業者に依頼する必要があるので覚えておきましょう。
罠で捕獲
罠を使った駆除方法は、比較的お手軽に実行可能で、ネズミの数が少ないときに有効です。粘着シートや捕獲器を使用して、生きたままネズミをとらえるのですが、どちらも基本的な使い方は同じで、ネズミの生息地や活動場所に設置して罠にかかるのを待ちます。
罠にかかったネズミの処理は、自分でおこなうことになります。ネズミを自分で処理することに抵抗がないという場合は、これからご紹介する罠を用意して駆除してみましょう。
粘着シート
粘着シートのメリット | 粘着シートのデメリット |
・安価で設置しやすい ・せまいところでも設置可能 |
・かかったネズミを処理しないといけない ・ペットがかかってしまうおそれがある ・濡れたネズミには効果が薄い |
費用を抑えて駆除する方法としてはとてもよいものですが、ドブネズミは水回りを好むので、粘着シートでの捕獲は難しいかもしれません。
捕獲器
捕獲器とは、プラスチック、もしくは金属製のかごの中にネズミを閉じ込める駆除グッズです。捕獲器の奥にネズミが足を踏み入れることによって仕掛けが作動し、自動で入口が閉まる仕組みになっています。
捕獲器の中にはエサを仕掛ける必要があるので、ドブネズミの好物である肉や魚を用意しておきましょう。
捕獲器のメリット | 捕獲器のデメリット |
・簡単に設置できる ・繰り返し使用できる |
・大量に駆除することは難しい ・かかったネズミを処理しなければいけない |
粘着シートと違って繰り返し使えるため、非常に経済的な駆除グッズです。ただし構造上、一度にたくさんのネズミをとらえることは不可能なので、ネズミが繁殖する前に設置してつかまえましょう。
前述したように、罠を使った駆除方法は、ネズミの処理を自分でおこなうことになります。一般的な処理の方法とは、息のある状態のネズミを水没させる方法です。その後は新聞紙などにくるめて可燃ゴミとして出します。
ネズミの処理に精神的な負担を感じるという方は、業者に駆除を依頼するか、次にご紹介する苦手なもので追い払う方法を試してみてください。
苦手なもので追い払う
苦手なものを使う駆除方法は、ネズミの死骸を見たくない方やネズミを自分で処理することに抵抗がある方におすすめです。超音波機器や忌避剤を使ってネズミを駆除しましょう。
超音波器
ネズミは聴覚が発達していて、高い周波数の音でも聞き取ることができます。そのため、ネズミの嫌がる周波数の音を出してストレスを与え続けることで、ネズミを追い払うことができるのです。
超音波器のメリット | 超音波器のデメリット |
・ネズミを処理しなくてもよい | ・効果が持続しないときがある ・人やペットに悪影響を及ぼす危険性がある |
超音波機器は、長期間使用していると、ネズミが音に慣れてしまうことがあります。なるべくネズミが順応しにくいように、複数の音を出すことができる高性能のものを使用するようにしましょう。
また、ウサギやハムスターなどのペットや人にも超音波が聞こえる場合があります。その場合は、次にご紹介する忌避剤を使用するか、別の方法で駆除するようにしましょう。
忌避剤
忌避剤は、ネズミの嫌うにおいを発する薬剤のことです。「錠剤タイプ」や「スプレータイプ」、「燻煙(くんえん)タイプ」があり、ネズミの生息場所や被害に遭っている箇所に使用することで、ネズミを撃退することができます。
忌避剤のメリット | 忌避剤のデメリット |
・ネズミの処理をしなくてもよい ・せまい場所でも使用することができる |
・においが部屋の中に残るおそれがある ・効果が持続しない ・燻煙タイプは火災と勘違いされることがある |
忌避剤は効果が短いという特徴があるため、定期的に錠剤を交換したり、スプレーを噴霧し直したりする必要があります。
とくに注意して使用しないといけないのが、「燻煙タイプ」の忌避剤です。このタイプの忌避剤は部屋にネズミが嫌う煙を充満させて、ネズミを追い払う仕組みになっています。そのため、使用する際は、においが移る危険性がある家具や衣類を部屋の外に出しておかなければいけません。
また、大量の煙が発生することから、「近隣の住民が火事と勘違いして通報してしまう」という事例も発生しています。このようなトラブルを避けるためにも、燻煙タイプの忌避剤を使用する前はなるべく近所の方にその旨を伝えておくとよいですね。
駆除したあとは侵入対策で被害の再発防止!
ドブネズミが一度家に侵入してきているということは、どこかに侵入経路があるということになります。侵入経路が封鎖されていなければ、何度ドブネズミを駆除しても再び侵入され、被害を受けてしまうことでしょう。
「駆除したあとは必ず、侵入経路をふさぐ」
これが、ドブネズミの被害を完全になくすためには必要不可欠です。ドブネズミの侵入経路になりやすい以下の場所を、重点的にチェックして対策をとりましょう。
【侵入経路と対処法】
・壁などのひび割れ
パテなどの補修剤で埋めるようにしてください。
・通風孔やお風呂などの排水口
金網をかぶせてドブネズミが侵入できないようにしましょう。
・トイレ
金網をつけることもできず、自分での対処が困難なため、業者に駆除依頼が必要です。
上記の侵入経路のうち、トイレからの侵入がもっとも厄介です。ドブネズミは泳ぎを得意とし、下水管を巧みに通って、便器から出てくることがあります。しかし、トイレは日常的に使用する場所なので、金網などを設置することができず、対策が困難になるのです。
万が一ドブネズミが便器にいる、という事態になった場合は、便器にフタをしてその上から重りを乗せ、家の中にドブネズミを解き放たないようにしましょう。
そして、速やかに業者に連絡してドブネズミを駆除してもらうようにしてください。ドブネズミが便器から飛び出してくる危険性があります。
なお、フタをした状態でトイレの水を流すことは絶対にやめてください。ドブネズミがトイレにつまってしまうかもしれません。
ほかにも、ドブネズミの侵入対策では「ラットサイン」が重要なポイントとなるでしょう。ラットサインとは、ネズミが移動したあとに残る黒い汚れや排せつ物のことを指し、侵入経路を把握する際にヒントとなります。家にラットサインがないか一度チェックしてみてください。
ドブネズミの生態について知って駆除に役立てよう!
家に侵入して私たちに被害を与えてくるネズミのことを「家ネズミ」といい、おもに「ドブネズミ」「クマネズミ」「ハツカネズミ」の3種類のことを指します。
この家ネズミの中で一番体格がよく、凶暴なのがドブネズミです。まずは、ドブネズミの見た目や生態についてみていきましょう。
ドブネズミの特徴
ドブネズミの特徴 | |
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体長 | 18~25cm。ずんぐりした体型だが耳が小さめ |
体の色 | 毛の色は茶褐色や灰色。腹部と手足は白っぽい。 |
尾の長さ | 20cm |
フン | 大きさは10mm程度で、片方の先端がとがった太めの形 |
性格 | 凶暴で人を怖がらない。襲い掛かることも |
生息場所 | 水辺の土地、下水道、ゴミ捨て場、地下街、食品倉庫など |
食性 | 雑食だが肉類や魚類などタンパク質が好物 |
行動的特徴 | 泳ぎが得意で、高い所によじ登るのが苦手 |
繁殖数 | 一度に約10匹の子どもを出産し、9週間程度で大人のネズミになる |
妊娠期間 | 約3週間 |
寿命 | 約2年 |
天敵 | ネコ、イタチ、ワシ、ヘビ など |
ドブネズミは、排水溝や壁のすき間などから侵入し、台所のような水回りや地下室のような暗くジメっとした場所に生息していることが多いです。
また、一度に生まれる子どもが多いうえに出産ができるようになるまでも早いので、一度家の中に住みつかれるとどんどん繁殖してしまいます。
ドブネズミは人間の体や生活に多くの被害を及ぼす存在です。姿を見かけたらなるべく早く駆除するようにしましょう。駆除方法はのちほど詳しく解説しますので、そちらを参考にしてください。
放置は危険!?ドブネズミがもたらす4つの被害!
ドブネズミを見つけたとしても、「現状実害がなければ放置してもよいのでは?」と思う方がいるかもしれません。しかし、駆除せず放置しておくと、おもに以下の4つの被害を及ぼします。
・食害
・経済的被害
・衛生的被害
それぞれ具体的にどのようなことが人間にとって害となるのか解説していきますので、ドブネズミを放置する危険性について確認していきましょう。
物理的被害
物理的被害とは、ドブネズミが直接私たちに与えてくる被害のことをいいます。ドブネズミはほかの家ネズミと比べると体が大きく、性格も凶暴です。安易に近づくと襲いかかってくる危険性があります。
また、ドブネズミは雑食性で肉類を好む傾向にあるため、飼育しているハムスターがドブネズミに食べられてしまうという事例も発生しています。
私たちから見れば小さな体をしているドブネズミですが、かなり危険な生物です。見かけても下手に近づかないようにしましょう。
食害
家に侵入したドブネズミは、精米や小麦粉、そのほか家の中のあらゆる食品を食べてしまいます。水辺を好むためか、魚肉などをとくに好む傾向があり、水産工場などは、よくドブネズミが侵入して被害を与える場所です。
ご家庭でドブネズミの食害を防ぐためには、常温保管の食料は必ずフタつきの容器で保管するようにしてください。
経済的被害
家に定住したドブネズミは壁や柱などをかじります。建材がダメージを受けてしまうと修繕をしないといけなくなるため、結果として経済的被害を受けてしまうことになるのです。
●ドブネズミ建材をかじる理由
ドブネズミが建材をかじる理由は彼らの「歯」にあります。ドブネズミの口の先にある上下4本の歯(門歯)は一生伸び続けるため、定期的に固いもので歯を削らないと、口がふさがってしまうのです。
口がふさがってしまうと、ドブネズミは食物を食べられなくなるので、生命を維持することができなくなります。そのため、家に住みついてしまったドブネズミは自分の命を守るために建材などをかじり続けて被害を与えてくるのです。
壁や床以外に、ガスホースや電気コードをかじられることもあり、最悪の場合火事などの大事故に発展してしまうおそれがあります。最悪の事態を未然に防ぐためにも、家に住みついたドブネズミは早急に駆除するようにしましょう。
また、ドブネズミは所かまわず排せつをするため、床や壁に糞尿が染み込んで腐敗してしまうこともあります。汚れや臭いを消すためには、ハウスクリーニングなどが必要になるため、これも経済的負担となるでしょう。
衛生的被害
ドブネズミはダニや人にとって有害な病源菌を大量に保有しています。ドブネズミに直接咬まれたり、接触した食品を口にしたりすることで、さまざまな感染症に感染するおそれがあります。ドブネズミが媒介する感染症を以下の表にまとめました。
原因菌 | 感染経路 | 症状 | |
鼠咬症 (そこうしょう) |
・モニリホルムレンサ杆菌(かんきん) ・鼠咬症スピリルム |
ドブネズミに直接咬まれることで発症する | 発熱、悪寒、筋肉痛、発疹 など |
レプトスピラ症 | ・レプトスピラ属の細菌 | ドブネズミの糞尿に汚染された食器等を使うことで感染する | 発熱、黄疸(おうだん)、筋肉痛、視力障害 など |
サルモネラ症 | ・サルモネラ菌 | ドブネズミの糞尿に汚染された食品を口にすることで感染する | 発熱、腹痛、下痢 など |
ツツガムシ病 | ・オリエンティア ・ツツガムシ |
ドブネズミに寄生するダニに刺されることで感染する | 発熱、発疹、など 血管に血栓ができることもある |
これらの被害を防ぐためには、ドブネズミを早めに駆除しておくことが大切です。その際、より速やかに駆除作業をおこなってくれるのがプロの駆除業者です。お急ぎの方にはすぐに対応できる業者を手配いたしますので、弊社へ気軽にご相談くださいね。